2024年度第3回目サイエンスカフェを開催しました <2024.12.13>

3回目のサイエンスカフェは、公務員(農林水産省)と研究者(佐賀大学医学部)の『二刀流』でお仕事をされている高島賢(さとし)さんのお話でした。

公務員としては、農林水産省消費・安全局で、遺伝子組み換え農作物の安全を確保するするための調査や、規制を作るお仕事をされています。研究者としては、「新型コロナウイルス(COVID-19)への罹患しにくさ」と「飲酒によって顔面紅潮(アジアンフラッシュ、お酒に弱い)となる体質」の関係について研究されています。この研究の成果は、今年3月に論文として発表され、SNSで話題となり、新聞で取り上げられるなど大きな反響となっています。

どうして公務員の仕事と医学部での研究を両立しているのか?とても気になりますよね。それは、農林水産省の職場で起こった感染症の集団感染に高島さんが罹患しなかったことから始まります。罹患しなかったメンバーと罹患したメンバーとの間で体質の違い、つまり「アジアンフラッシとなる体質はコロナなどの感染症に防御的なのかも」と、気付いたことがきっかけだそうです。この気づきを探究するために佐賀大学医学部に飛び込み、研究者としても活躍されることになったのです。

そんな高島さんの行動力とバイタリティーの高さに、多くの参加者が刺激を受けたようです。

参加者からの感想(抜粋)

『コロナに感染しやすい、しにくいというのがアルコールに弱いという体質と大きく関係しているということを知り、身近なところにもいろいろな結びつきがあることを改めて感じました。』

『「ふとした気づきを大切にしよう、とことん探求してみよう」という言葉が印象に残った。』

『一つのことに特化していなくても、いくつかのことをある程度深めるのでもいいという生き方もいいなと思った。』

『お酒に対する強弱と、感染症への罹患率という全く関係がないように思える二つの事象が、密接に関わっていることを突き止めるには、やはり普段から身の回りのことに目を光らせ、少しでも怪しいと思ったら追究してみることが大切だと分かった。』

『僕も、科学とプログラミングの二刀流で頑張れるよう、頑張ろうと思います。』