つくばSKIPアカデミー

サイエンスカフェを開催しました<2025.11.08>

2025年11月8日(土)、国土交通省物流・自動車局貨物流通事業課の三浦佑斗氏にご登壇いただき、サイエンスカフェを実施しました。

三浦さんは、国土交通省が所管する領域の広がり、物流を取り巻く制度や現状、そして技術がもたらす将来像についてお話くださいました。

例えば、
・国土交通省の所管と社会基盤の維持(道路・鉄道・航空・海事、都市・住宅、気象・観光、海上保安等)
・宅配を含む物流の基本構造(集荷→幹線輸送→配達)と、ラストワンマイルにおける再配達等の課題
・制度改正と技術活用の方向性(適正原価の仕組みづくり、許可更新制度の検討、置き配の標準化、自動運転・ドローン・モーダルシフトの可能性)
など、多岐にわたる内容についてお話をいただきました。

事例として、貨物自動車運送事業法の改正を踏まえた取り組み(違法・不適切な運送の是正、ドライバーの処遇改善に向けた設計)、標準宅配便約款の見直し(置き配の標準化による再配達抑制)、トラック議連等での政策議論の状況が紹介されました。さらに、幹線輸送における自動運転トラックの活用見通し、実証が進むドローン物流の技術・運用上の論点(重量・航路・安全確保、既存航空との調整)について具体的な説明がなされ、物流の持続可能性に向けたアプローチが示されました。

また、質問パートでは、ラストワンマイルの定義と課題、ドローン物流の実現時期、労働時間規制と働き方の変化、許可制度の意義、キャリア形成のプロセス等に関する質問が寄せられました。

三浦さんは、配達区間で人員・環境負荷が集中する実情、技術の導入に伴う安全・法制度・運用設計の整合の必要性、2024年以降の上限規制とオペレーション再設計の関係、重大事故リスクに備える許可制度の位置づけ等について解説をいただきました。また、キャリア官僚になるにはどのようなプロセスを経るのか、大学院生時代のご経験を併せてお話くださいました。