つくばSKIPアカデミー

家政学実習を実施しました<2025.10.18>

2025年10月18日(土)、つくば市民センターの調理・実習室にて、家政学実習「多繊交織布を紫の染料で染めてみよう!」が実施されました。講師は大分大学教育学部の都甲由紀子先生にお越しいただきました。

本実習では、天然染料と合成染料の染色性を比較し、染色技術の発展や生活文化との関わりについて学びました。多繊交織布(マルチファイバーテストクロス)と呼ばれる、綿・ナイロン・アセテート・毛・レーヨン・アクリル・絹・ポリエステルの8種類の繊維を一枚に織り込んだ布を使用し、天然染料(コチニール)と合成染料による染色を体験しました。

前半では、天然染料を乳鉢で粉砕し、ミョウバンを溶かした媒染液を調製して染色を行いました。虫由来のコチニールが発する鮮やかな赤紫色の発色に、参加者からは驚きの声が上がりました。後半は合成染料による実験を行い、食塩を加えたお湯に染料を溶かして染色を進めました。両者を比較することで、繊維や染料の種類によって染まり方や色味が大きく異なることを実感しました。

参加者からは、
・虫から取れる染料で鮮やかな赤色が出ることに驚いた
・天然繊維と化学繊維で染まり方が違うことを初めて知った
・染色を通して衣服と科学の関係に興味を持った
・食品や化粧品にも同じ染料が使われていることを知り、身近な技術として感じた

といった感想が寄せられました。多くの受講生が「家政学」という分野や染色の広がりを知り、身の回りの衣服や生活素材を科学的に見るきっかけとなりました。

実験後には、手で糸を撚って紐を作る工程も行われ、参加者たちは染めた布や糸をしおりに仕立てながら、素材の手ざわりや発色の違いを確かめていました。体験を通じて、科学技術と生活文化が密接に結びついていることを学ぶ一日となりました。