つくばSKIPアカデミー

「生物実習」を実施しました<2025.9.15>

2025年9月15日、筑波大学にて「生物実習」が行われました。本実習は、自然環境の中で実際に生き物を採集・観察し、その結果をもとに考察・発表を行うことを通して、生物多様性や生態系についての理解を深めることを目的としました。指導は生命環境系の横井智之先生にご担当いただきました。

前半は、虹の広場や天の川など学内のフィールドでの採集活動に取り組みました。受講生はウェダーや網を手に、川の中や林床、土壌、樹木周辺など異なる環境に分かれて調査を実施しました。クモやキノコの同定に苦戦しながらも、メダカやヌマエビ、昆虫類、外来種のアカボシゴマダラなど多様な生物を観察することができ、実際に現場に足を運ぶことの大切さを実感する機会となりました。

午後は、午前中に得たデータを班ごとに整理し、ポスターにまとめて発表を行いました。各班は「上流と下流の比較」「日陰と日向の違い」「食物連鎖の構造」など、自分たちで設定した問いに沿って結果を提示しました。限られた時間の中で「何を載せ、どう見せるか」を議論しながら仕上げる過程を通して、研究の問いと根拠、結論を一貫して結びつける力が培われました。

発表後の総括では、異なる学年・分野の仲間と協力することで新たな視点を得られたこと、外来種問題や生物多様性を身近に感じられたこと、実際の観察や採集を通じて机上の理解とは異なる“実感”を得られたことが共有されました。参加者からは「多様な視点をもつことの重要性を学んだ」「研究は現地に行くことで初めて深まると分かった」といった声が寄せられました。

今回の実習は、野外調査から発表までを一日で経験する濃密なプログラムとなり、受講生にとって「問い—根拠—答え」を体験的に結ぶ探究学習の実践となりました。